お買い物をしていると、よく目にする「○○王室御用達(ごようたし)ブランド」のワード。
なんとなく、歴史があって品質が良くて信頼できそう……というぼんやりとしたイメージから、ついつい手に取ってしまいますが、皆様は「御用達ブランド」について、どのくらいご存知でしょうか。
今回は、当ストアでも取り扱いの多い「王室御用達ブランド」についてのお話です。
そもそも御用達とは?
日本では、江戸時代に朝廷や幕府などの公の用務や用命のことを「御用」と言い、その御用を達する店のことを「御用達」と呼んでいました。現在では、宮中や王室など公権力へ物品を納めることを指し、その制度は国によって様々です。
日本における「御用達」
日本における御用達は、江戸時代の「御用商人」の格式のひとつで、幕府・大名・旗本・公家・寺社などに出入りし、御用に応じて物品を納入するほか、貨幣の鋳造や、大奥を中心とする呉服の調達、なかには朱印船貿易の特許、長崎貿易の利権などを付与される者もおり、商人でありながら苗字・帯刀を許されるなど、大きな力を持つ存在でした。
明治以降の大日本帝国憲法下でも、厳しい選定の審査を通り正式に許可された業者のみが「宮内省(宮内庁の前身)御用達」を名乗れるという認可制のシステムが導入されましたが、戦後1954年にこの御用達制度は廃止となりました。
つまり、現在の日本で私たちが「宮内庁御用達」と呼んでいるものは、単純に宮内庁が購入している、または献上品として納入しているものを指し、はっきりとした法的な制度があるというわけではないのです。
もちろん御用達制度があった戦前から、廃止された現在においても、宮内庁と取引関係にある業者や、皇族に物品を献上する業者の選定には、毒物の混入や食中毒を防止するために厳しい基準が設けられており、公安警察による経営者や社員の思想調査や、保健所による衛生状態のチェックなどが頻繁に行われています。
こうしたことからも、現在の日本では制度としては廃止されている「宮内庁御用達」ですが、今も由緒ある高品質の品物を扱う店のステータスとして、その名が掲げられています。
イギリスにおける「御用達」
さて。ヨーロッパにおける「王室御用達」で一番有名なのは、おそらくイギリスではないでしょうか。
イギリス王室では、王族個々人がそれぞれ気に入った製品の生産者に対して王室から御用達リストに加える申し出が出されます。そして、これに応じた生産者は、「ロイヤルワラント」と呼ばれる王室御用達を示す紋章を示す権利を得ることができます。つまりイギリスの王室御用達は、現在も認可制ということですね。
イギリス王室御用達の栄誉を得た企業や個人はおよそ800ほどもあります。そのため日本でも身近に感じられるブランドも多く、例えば衣料品の「Burberry(バーバリー)」や、車の「Jaguar(ジャガー)」などは王室御用達ブランドです。
フード・キッチン関係のブランドでは、紅茶の「Twinings(トワイニング)」や、陶磁器の「Wedgwood(ウェッジウッド)」、「Royal Worcester(ロイヤルウースター)」などが王室御用達ブランドとして有名です。日頃ご愛用の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これらロイヤルワラント協会所属の企業や個人は、品質・サービス・適正価格・環境問題解決などの項目で、5年ごとに審査を受け、不適格なら認定取り消しという厳しい条件が与えられています。イギリスでもやはり「王室御用達」の称号は、確かな品質を約束された商品やサービスの証となっているのです。
その他の国の「御用達」
ヨーロッパにはまだまだ多くの国がありますが、それぞれに御用達とされているブランドが存在します。日本でも有名な海外ブランドは、たいていどこかの国の御用達であることが多いです。逆に、海外の「王室御用達ブランド」として認定されている日本企業も数多くありますので、調べてみるのも楽しいですよ!
また、日本では「ベルギー王室御用達」と称されたチョコレート菓子をよく目にします。
チョコレート大国ベルギーでは、8つものチョコレートショップが王室御用達リストに存在します。「Godiva(ゴディバ)」や、「Galler(ガレー)」、「Wittamer(ヴィタメール)」、「Pierre Marcolini(ピエール・マルコリーニ)」等々……。ベルギーの「王室御用達」もイギリス同様に認可制で、5年に一度の厳しい審査が課せられています。
これからバレンタインデーの季節がやってきます。今年のチョコレート選びは、「ベルギー王室御用達ブランド」でクオリティにこだわってみるのもアリかもしれません。
当ストアで取り扱い中の「王室御用達ブランド」をご紹介
ここで、FOOD LIFE DESIGN STORE で取り扱い中の「王室御用達ブランド」をご紹介いたします。
グラス類
オーストリア王室御用達「LOBMEYR(ロブマイヤー)」
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デンマーク王室御用達「HOLMEGAARD(ホルムガード)」
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カトラリー類
スウェーデン王室御用達「GENSE(ゲンセ)」
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デンマーク王室御用達「KAY BOJESEN(カイ・ボイスン)」
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その他、キッチンウェア
デンマーク王室御用達「GEORG JENSEN DAMASK(ジョージ・ジェンセン・ダマスク)」
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デンマーク王室御用達「menu(メニュー)」
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デンマーク王室御用達「ROSENDAHL(ローゼンダール)」
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……こうして見ると、北欧のブランドが多いですね(笑)
北欧は長く厳しい冬に室内で過ごす時間が多いという環境から、「飽きのこないシンプルなデザイン」と「機能的で長く愛用できる実用性」を兼ね備えた家具や雑貨を作るブランドが生まれやすいと言われています。その北欧ブランドのなかでも「王室御用達」という確かな品質を約束されたアイテムの数々は、ご自宅で過ごす時間を大切になさる皆様にぴったりではないでしょうか。
もちろん、王室御用達ブランドでなくても、確かな品質とデザイン性を併せ持つ、魅力的で優れたアイテムはまだまだたくさんあります。
当ストアでは、今後も皆様の毎日の食生活を彩るアイテムを取り扱うブランドの発掘に力を入れてまいります!どうぞご期待ください。