新しい贅沢の形、出張シェフという選択をもっと身近に

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私たちの生活にインターネットが欠かせなくなって久しい今日。
皆様は普段、スマートフォンやタブレットやPCで、どのような情報をチェックし、発信なさっていらっしゃいますか?

食の贅沢をめぐる「インスタ映え」と「SNS疲れ」

昨年2017年の流行語大賞に「インスタ映え」というワードが選ばれたように、写真による「私生活の発信」に多くの人が関心を向けています。
なかでも食に関する投稿は、人気カテゴリーのひとつです。流行りのレストランやカフェなどでフォトジェニックなメニューを食べている様子を写真におさめ、SNSで発信することはもはや日常の風景となりました。ご自分でお料理をなさる方のなかには、お手製の料理を撮影用にスタイリングして発信し、プロさながらの活躍をなさっている方もいらっしゃいます。

こうしたブームがある一方で、「SNS疲れ」と呼ばれる現象も起こっています。
仕事でなかなか時間が取れない、首都圏外の地域に住んでいる、小さなお子様がいる、そもそも料理があまり得意ではない……。といった様々な事情で、流行りのお店に気軽に足を運べない、凝った料理やコーディネートに手をかけていられない、という方が、SNSで繰り広げられる「インスタ映えする私生活の発信」の世界に気疲れしてしまう、といった現状も……。

話題のお店で外食、完璧な手作り料理、だけが贅沢じゃない?

そんな中、注目を集めているのが「出張シェフ」と呼ばれる人たちです。
出張シェフとはその名の通り、プロの料理人がお客様のご自宅に出張して、目の前で本格的で美味しい料理を提供してくれるサービスです。話題のお店で外食をする、ご自宅で完璧なスタイリングの手料理を振る舞う、といった贅沢とはまた違う、新しい形の贅沢。

興味はあるけれど、実際にはどういったサービスなの?どんな人がどんな風にしてやっているの?自分のところにも来てもらえるの?といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、実際に現在「出張シェフ」としてご活躍中の、石原成也(いしはらせいや)さんに、出張シェフとはどういったサービスなのかお話を伺いました。

地元の人たちを笑顔にしたい。若手出張シェフ・石原成也さん

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地元・愛知県西尾市で出張シェフとして活躍中の石原さん(27)

実家は海苔屋の異色シェフ

FOOD LIFE DESIGN・以下F)今回は「出張シェフ」について色々とお話を伺えたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。さっそくですが、石原さんは現在、地元・愛知県西尾市を中心に出張シェフとしてご活躍中ですが、そこに至るまでのご経歴を教えてください。

石原・以下石)地元・愛知県の高校を卒業後、東京の調理専門学校で西洋料理の基礎を学んだあと、最初は麻布十番のスペインバルに就職しました。その後ふたたび愛知県に戻り、ブライダルレストランで三年ほど働きました。

F)そこから「出張シェフ」という道を選ばれたのはどうしてでしょう?

石)実家が海苔(のり)屋で、海苔屋の今後のことを考えたときに、自分の持っているスキル+海苔で何か新しいことが出来ないかと考え、レストランをやりたいと思ったのが最初のきっかけでした。ですが、冷静に現実を見たときに、今の自分にはレストランを経営するだけの力がなく、断念するしかありませんでした。経済的な問題もありました。そんなときに、お話を聞いてくださっていた方々から「料理を作ってよ」、「評価してあげるから食べさせて」などと言っていただいて、なら作りに行きますよ!というところから出張シェフの活動が始まりました。

F)ご実家の海苔屋さんの今後を考えて、というのがとても面白いですね。

石)海苔を使った料理はもちろんですが、おにぎり屋さんとかお弁当とか、実家が海苔屋であることを活かして何か出来ないかなと。今も模索中なのですが。

F)近年、首都圏外の地域で専門の家業を営んでいる若い世代の方たちのなかで、これまでの伝統的なノウハウを踏襲しつつ、時代のニーズも取り入れた新しい試みがどんどん生まれていますよね。石原さんの出張シェフ活動のバックボーンにも、ご実家の海苔屋さんがあったのですね。

石)はい。専門学校で学んだフランス料理とイタリア料理に加えて、東京で勤めていたスペイン料理の知識もあるので、お客様に提供できる料理の幅は広いほうではないかと思います。その後勤めたブライダルの現場では大人数のお客様にお出しするスタイルが基本だったので、仕込みの段取りや、お客様の人数によってどのくらいの仕入れや料理の量が必要か、感覚的に分かっているところも強みだと感じています。

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スペインバルやブライダルレストランでの経験を活かした、幅広いメニュー構成と演出力の高さも石原さんの強み

実際に出張シェフをお願いするには?普通の家にも来てくれるの?気になるお値段は?

F)ここからは、実際に出張シェフをお願いするにあたって、利用者側が不安や疑問に思っていることについて質問させてください。まずは予約に関してお聞きしたいのですが、石原さんは予約の受付にSNSを活用なさっていますよね。反響は大きいですか?

石)はい。InstagramとFacebookに料理の写真など詳細を掲載して、予約もDMやメッセンジャーから受けられるようにしています。あとはLINEやメールからも受け付けています。知り合いなどからは直接電話をいただくこともありますが、基本的にはSNSからの予約が多いです。ほとんど面識のない方からも「出張シェフすごいね」とか「SNS見てるよ!」などと言っていただく機会がすごく増えたので、反響は大きいと思います。

F)石原さんはご自身の情報をアピールするのに、SNSを上手に活用している印象があります。サービスを受ける側にとっても、毎日かならずチェックするInstagramやFacebookで「いいな」と思ったらアプローチしやすい環境になっているのはいいですよね。出張シェフ専門のサイトなどもいくつかありますが、出張可能エリアが首都圏に集中していたり、お願いするシェフの人柄が分かりづらかったりします。石原さんのInstagramは、お料理の写真だけでなくコメントが添えられていたり、地元での仕入れや仕込みの様子を動画で伝えていたり、お客様からの感謝のメッセージのやりとりが見えたりと、とてもオープンなムードで安心感がありますよね。

石)地方なので、道の駅などでも仕入れができるので、地元の食材を料理に活かしやすい環境が安心感につながっているのもあると思います。

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本格的な料理でも、地元の食材を使っていたりと安心感がある 

F)どういったお客様からの予約が多いですか?

石)小さいお子様がいてレストランになかなか行けない方、サプライズのお祝いや、〇〇会、パーティーなど、利用シーンは幅広いです。

F)自宅まで出張してきてくださる、ということですが、アパート住まいで立派なキッチンがない、調理器具が十分に揃っていない、せっかく素敵なお料理を作ってもらうのに良いお皿などを持っていない、などの悩みを抱えている方もいらっしゃるかと思います。どのように対応なさっていますか?

石)僕の場合は、調理器具や食器はほとんど自前で持っていきます。フライパンやお鍋は、一般的なもので構わないので貸していただく場合もあります。基本的にはご予約の段階で、人数やご予算、こちらで準備するものなどを伺います。大掛かりな仕込みなどは大方こちらで終わらせておいて、当日に仕上げることが多いですね。事前にご相談いただければ、なるべくご希望に添えるようにします。

F)それは心強いですね!出張シェフというと、お呼びするのにもすこし敷居が高く感じていましたが、事前にこちらの状況などについても色々と相談に乗っていただけると安心ですね。

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ローストビーフや鴨肉、ジビエ、フォアグラなど、高級レストラン並みのメインディッシュも自宅で楽しめる

F)それでは最後に、まだ出張シェフを使用したことがない方へ、メッセージをお願いいただけますか。

石)お子様が小さくて飲食店に行きづらい、仲間内でゆっくりご飯を食べたい、ホームパーティーや会合など、様々なシーンで出張シェフが役に立つと考えています。料金に関しても、皆様が飲食店で食事をするのとほとんど変わらない価格帯にしているので、もっと気軽に利用していただけたら嬉しいですね。地元を中心とした多くの方々が笑顔になるような料理を、これからも提供していきたいと思っています。

F)今回は出張シェフについてのお話を色々とお聞かせいただきまして、どうもありがとうございました。

出張シェフという贅沢な選択をもっと身近に

出張シェフは、メニュー構成から仕入れ、仕込みなどの準備、調理、サービス、片付けと、全ての作業を一人でこなすため、予定次第ではせっかくのお客様からの予約をお断りしなくてはならなかったりと、レストラン勤務とはまた違った苦労もありますが、それがやりがいにも繋がります。もっと沢山の方に出張シェフの存在を知ってもらい、様々なシーンで利用していただきたい。
と、インタビューを締めてくださった石原さんは、今年2月から出張シェフと並行して、念願だったレストラン営業も予約制ながら実現。今後の夢は、料理教室の開催や実家の海苔店のイベント開催など、まだまだ何か新しいことができないかと模索中とのこと。

いかがでしたでしょうか。これまで少し敷居の高いように感じていた「出張シェフ」という存在ですが、様々な事情で毎日を忙しくお過ごしの皆様にとって、実はとても身近な救世主かもしれません。今回お話を伺った石原さんのように、首都圏外の地域をベースに活躍なさっている出張シェフの方も多くいらっしゃいます。
サプライズの演出としての利用も多いとのこと。周りを気にすることのない自宅というくつろぎの空間で、人数や予算に応じて本格的な美味しい料理を提供してくれる「出張シェフ」という新しい形の贅沢を、選択肢に加えてみてはいかがでしょう。

今回お話を伺った出張シェフ

石原成也(いしはらせいや)
1991年生・愛知県西尾市出身
東京の調理専門学校を卒業後、スペインバルに就職。その後、地元愛知に戻りブライダルレストランで修行を積む。現在は家業の海苔店を営むかたわら、出張シェフとして活動。今年2月より予約制のレストラン営業も開始。SNSでの予約受付などの気軽さ、幅広い利用シーンに対応する柔軟さで、地元・愛知県を中心にで出張シェフの魅力を伝えている。
Instagram:@sei2.4
LINE:seiya1530
Mail:seiya1530@yahoo.co.jp